北九州市は、関門海峡を挟んで本州と接し、大陸からも近いという地理的特性により、古くから交通の要所として発展してきた街で、特に、国内最大規模であった筑豊炭田を背後に控えた港町・若松、門司港では、早くから鉄道と港湾の二大インフラが整備されました。
そして、1901年に官営八幡製鐵所の東田第一高炉に火が入り、わが国最初の銑鋼一貫生産をおこなう近代製鉄所が誕生。以来この地は「モノづくりのまち」として重化学工業を中心に急速な発展を遂げ、日本の四大工業地帯の一角として、日本経済の高度成長を支えてきました。また、時代の流れとともにさらに産業は内容・構造が変化し、今までの素材型産業から付加価値の高い加工型産業へとシフトしていきました。
一方、産業発展の過程で発生した負の副産物として、北九州市は深刻な公害問題に直面しました。しかし、市民・企業・行政が一体となって環境改善に取り組み、問題を克服。国連からその取り組みが表彰されるまでに至り、現在は、そのノウハウで世界の環境問題克服に貢献し「世界の環境首都」を目指しています。
また、産業発展の歴史は、北九州市に多くの産業遺産を生み出しました。日本の産業の近代化に大きな役割を果たした数々の産業遺産は、先人の歩みを伝える貴重な財産になっています。
北九州市の「産業観光」とは、日本の近代化に貢献した産業の歴史・遺産を知ると同時に、モノづくりの技術を土台に発展してきた最先端技術を肌身で感じるといった、貴重な体験が出来る北九州ならではの観光です。
今日の日本の産業を作り上げた裏側には多くの人々のドラマがある。そして人々が作り上げた技術がある。
北九州の産業観光では訪問先に合わせて、そこに関わった先人達の営み、
そして世界に誇る環境の取り組みなども分かりやすく解説しながら楽しい旅にご案内。
北九州で創業し、そして現在世界に羽ばたいている日本を代表する様々な企業の「ものづくりの現場」を見学しながら、最先端技術にも触れる。
日本屈指の大規模な工場夜景が楽しめるまち、洞海湾と関門海峡の周りに拡がる製鉄所や化学プラントを始めとする工場群が作り出す、まるで別世界の夜景をご案内。
公害問題克服の過程で蓄積した技術やノウハウをもとに生まれた分野。リサイクルや産業廃棄物の現場や環境の新たな取り組みの施設もご案内。
先人達がつくりあげた近代化産業遺産、今も受け継がれているその思い。そこに携わった人々の物語も紹介しながら、貴重な遺産をご紹介。
世界に誇る「ものづくりのまち」そして「環境のまち」の背景には様々な歴史があり、人々の営みがある。貴重な史料を見ながら歴史に秘められた世界をご紹介。